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フィリピン大統領、「麻薬に関与」の政治家ら160人以上を名指し

2016年08月07日 18:12 発信地:マニラ/フィリピン

フィリピン大統領、「麻薬に関与」の政治家ら160人以上を名指し
フィリピン・マニラで、国民に向けて演説するロドリゴ・ドゥテルテ大統領(2016年7月25日撮影、資料写真)。(c)AFP/TED ALJIBE

【8月7日 AFP】「麻薬撲滅戦争」を率いているフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は7日、麻薬取引への関与が疑われる政治家、高官、判事ら160人以上を名指しし、制裁が加えられるだろうと警告した。

5月の大統領選で勝利したドゥテルテ氏は、半年以内に社会から麻薬と犯罪を撲滅するという公約を掲げ、そのためならば何万人でも犯罪者を殺害すると宣言。実際、ドゥテルテ大統領の就任以降、麻薬取引などに関与していたとして殺害された人数は約800人に上るとみられている。殺害を実行しているのは警察や非公式の自警団だとされている。

ドゥテルテ大統領は7日の夜明け前に行った演説で「私が話すことに適正手続きなど関係ない。そんな手続きはないし、弁護士もない」と述べた後、麻薬との関与が疑われる人物として判事9人、元議員や現職議員、市長など自治体長50人以上、さらに現職および退職した警察官や兵士の名前を挙げた。その上で、こうした高官らの護衛の引き揚げを命じ、彼らの武器所持許可を取り消し、制裁を受けることになるだろうと警告した。

ドゥテルテ大統領は南部ダバオ(Davao)で報道陣や軍兵士らに対し 「たとえわずかでも抵抗のために暴力を行使すれば、私は警察に『撃て』と命じるだろう」と語った。

率直な物言いで人気を集めているドゥテルテ大統領は一方で、名指しした高官らの容疑について誤りがある可能性も認めつつ、リストを作成したのは軍と警察で、政治色や個人的な関係は反映されておらず、名前が挙がっている人物の一部は自分の友人でさえあると述べた。

マーティン・アンダナール(Martin Andanar)大統領報道官は、今回名前が挙がった人物らは刑事告発されるだろうと述べた。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3096665

グレーゾーンだから安心はないのだ。

Blog | 2016年 08月 4日 16:40 JST

ブログ:フィリピン麻薬戦争の暗部

Czar Dancel

[マニラ 31日 ロイター] – フィリピンで、殺された夫の遺体を抱きかかえ、嘆き悲しむ女性の画像がインターネット上で広がると、ドゥテルテ大統領はそれを「メロドラマ」と呼んだ。

5月の大統領選で、実質的に唯一の政策であり、1600万人の国民に対する大きな公約として掲げた麻薬撲滅において、ドゥテルテ大統領はほとんど語り尽くしている。

「パニッシャ―(私刑執行人)」として知られるドゥテルテ氏は約束を守る。

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

ドゥテルテ氏が大統領に就任してから、わずかこの1カ月の間で数百人の麻薬密売容疑者が殺害された。首都マニラではある晩、6人が暗殺された。

そのなかには、冒頭の女性、ジェネリン・オライレスさん(26)の夫であるマイケル・シアロンさん(29)も含まれていた。シアロンさんは、オートバイに乗った見知らぬ者たちから撃たれ死亡した。

「友人が、マイケルが撃たれたと叫んだ。私は走って外に出た」と、オライレスさんはそこかしこにスラム街や不法占拠者、泥棒が存在するマニラ南部パサイの荒廃した地区でこう語った。

「さまざまな思いが頭をよぎった。なぜあなたなの。あなたはこんなことになるべき人ではない。あなたの他にもっとふさわしい人がいる」と、オライレスさんは夫を見つけたときのことを振り返った。

「私に翼があったなら、すぐに彼のところに飛んでいくのに」

夫を抱きかかえるオライレスさんを、警察の非常線越しにカメラマンが取り囲んだ。夫の遺体のそばには、「麻薬密売人」と書かれた段ボールの一片が残されていた。

通夜で夫シアロンさんの遺体を見るオライレスさん。フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

通夜で夫シアロンさんの遺体を見るオライレスさん。フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

フィリピンでは毎日のように同様の殺人が数多く行われているが、麻薬や犯罪があまりに根深く、社会から怒りの声はほとんど聞こえてこない。

警察によると、7月1─27日に316人の麻薬密売容疑者が殺されたが、そのうち195人は自警団によるものだった。複数の人権団体は、その数は少なくとも公式発表の2倍に上ると推定している。

ドゥテルテ大統領は、自警団による殺害を非難しない。過去にはそれを奨励さえしていた。

強硬な物言いで知られた前ダバオ市長のドゥテルテ大統領は7月25日、就任後初の施政方針演説のなかで、オライレスさんが夫を抱きかかえる画像について言及し、メディアはそれを、聖母マリアが十字架から降ろされたキリストを抱きかかえるミケランジェロのピエタ像のように扱おうとしたと語った。

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

オライレスさんは夫がドラッグを使用していたことは認めるが、売人では絶対にあり得ないと語る。なぜなら、あまりに貧しく、次の食事を賄うことさえほとんどできなかったからだ。

夫のシアロンさんは輪タクのほか、さまざまな雑用仕事から収入を得ていた。

5月の大統領選では、シアロンさんはドゥテルテ氏に投票していた。

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

「彼らはこれ以上生きる価値のない人たち、社会にとって脅威となる人たちを殺さなくてはならない。他の人たちに害を与えるから。でも、無実の人たちを殺してはいけない」と、オライレスさんは言う。

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

「社会の同情はいらない。大統領に知ってもらう必要もない」

「夫はこうした人たちが好きではなかった。でも私はただ、彼らに本当の犯罪者を捕まえてほしいだけ」

ドゥテルテ大統領にメッセージがあるかと聞かれると、オライレスさんはこう答えた。

「人ではなく、ドラッグを撲滅して」

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

フィリピンの首都マニラで7月撮影(2016年 ロイター/CZAR DANCEL)

http://jp.reuters.com/article/blog-manila-drug-war-idJPKCN10F0I7?sp=true

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