ミラーレスカメラ アジアに焦点 各社、販売挽回狙う 2017/5/20 0:23日本経済新聞 電子版


ミラーレスカメラ アジアに焦点 各社、販売挽回狙う
2017/5/20 0:23日本経済新聞 電子版
カメラメーカー各社が、アジアでミラーレスカメラの販売攻勢をかけている。パナソニックは現地専用モデルを投入し、ソニーはショールームを開設した。スマートフォン(スマホ)の普及でデジタルカメラ販売は日米欧で落ち込むなか、アジアでは女性を中心にミラーレスの販売が堅調で数少ない成長市場を開拓する。

アジア15%増、日本23%減――。2016年のミラーレス出荷金額の伸び率が示す通り、カメラ各社にとってアジアは勝ち残りの鍵を握る市場だ。推定300万台以上の世界のミラーレス市場のうち、約半分をアジアが占める。

ミラーレスは一眼レフカメラから、ファインダーに光を送る反射鏡などの光学部品をなくしたレンズ交換式カメラ。一眼レフに比べ小型軽量に設計できるのが特徴だ。

日米欧に比べ若年層が多いアジアでは、インスタグラムなどの写真投稿SNS(交流サイト)の普及に伴い「より本格的な写真を撮りたい」というニーズが増える。一眼レフより小さくて扱いやすく、コンパクトデジカメより本格的な写真を撮影できるミラーレスの販売が増えている。

パナソニックはタイで、アジア初となる現地専用モデル「GF9」を今年投入した。市場調査をもとに、ピンク色の機種を用意したほか、「美肌機能」など女性に人気の機能も搭載した。

ソニーは上海など中国7都市で、カメラモール内などに専用ショールームを新設した。店員が常駐してセミナーを開き、消費者に交換レンズなどを試してもらっている。

一眼カメラで高いシェアを持つキヤノンも体験会などのイベントをアジア各地で増やす。新規顧客を開拓するほか、一眼レフを持つ同社ユーザー向けに2台目としての需要を掘り起こす。富士フイルムもイベントなどの体験会を展開する。

デジカメの16年の世界出荷台数は約2400万台と、ピークだった10年に比べ5分の1に縮んだ。ミラーレスはコンパクトデジカメよりも平均単価が高く、交換レンズ市場の拡大も見込める。アジアでのシェア拡大がカメラ事業の成否のカギとなる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16655560Z10C17A5TJ1000/

 

Leave a Reply